ESSAY

地方に移住したらライターという職業に光が見えた

 「コピーライターなんてつぶしが利かない仕事をよく選んだね」。  大学卒業後、渋谷にある広告制作会社に入社した直後、先輩ライターから自嘲たっぷりに言われた台詞をよく覚えている。  確かに僕が入社した2000年代初頭は、コピーライターという仕事が悲観...

祖父に思い切って戦争体験について聞いてみた夏

 ユズをはじめ文旦、小夏といった柑橘系の果物、トマトなどの野菜、お茶、室戸海洋深層水などなど、ビールの原料や副原料になりそうな名産物が豊富な割に地ビール不毛の地、高知県。酒飲みが多く、時代を切り拓いてきた人材を多く輩出しているだけに、ビール界でも風雲児的な人材...

食品サンプルのフォークは、今日も、浮いてるか?

 お見合いの席ではないけど「ご趣味は何ですか?」と昔聞かれたことがあって、「食品サンプルですね」と間髪入れずに答えたら、「しょ、食品サンプルですか…」と困惑されたことがある。困惑させようとそう言ったのだから、してやったりだった(相手が困惑する言葉を投げかけて狙...

沖縄移住の夢が消えた瞬間

 沖縄とは縁のある人生だと思う。新婚旅行は石垣島だった。結婚前にも二人で遊びに行ってるし、ラジオの仕事で訪れたときにはちょうど東日本大震災が発生した。人生の節目節目で沖縄を訪れている印象がある。  つい先日、取材で石垣島に行っていた。拠点は山陰ながら全国...

妻飲みたまふことなかれ

 「他人の服の匂い」  「骨董屋が商品を包む紙を煮出した味」    テイスティングした後、こんなぶっ飛んだコメントが言えるビール好きは皆無だろう。とあるスモークビールを妻に飲ませ、出てきた感想である。  ビール好きにとって、配偶者や恋人がビール好き...

SNSの使い分け私論

 東京でテレビやラジオの仕事をしていた頃、フジテレビの「爆笑 大日本アカン警察」という番組にリサーチャーとして携わっていた。レギュラー番組化される前、何度か特番で放送していたのだけど、そのごく初期からレギュラー終了までフルに関わったことになる。  町で見...

ビールは料理に合わせない方が楽しめる

 この世界には二種類の人間しかいない。  という書き出しだと採点者も「おやっ」と思うので、受験で小論文を選んだ人にはおすすめ。ということをバラエティー番組で発言していたのは、オリエンタルラジオの中田敦彦だった。彼の考え方に倣い、僕はこう書きたい。 ...

人生で一番酒が飲めた1カ月

 憂いに満ちた表情付きの「昔はもっと飲めたんだけどな…」を20代の中盤から今まで、ずーっと周囲から聞き続けている気がする。その「かつてはすごかったんだぞ」を背後に秘めた穏やかな口調は、往時の賑わいを偲ぶ熱海の旅館組合の男性の口ぶりのようだ。「年とともにどんどん...