ESSAY

僕が禁煙できた理由

 始めた日付をしっかり記憶していると、禁煙は失敗しやすい。  という説をどこかで聞いたことがある。その日付へのこだわりは、そのままタバコへの執着であるため止められない、という理屈だったと思う。確か。それと「○日間禁煙に成功してる!」とすぐに計算できるのも...

息子とキャッチボールがどうしてもしたい

 昨年、第一子の息子が生まれた。日々、成長する様子を眺めるにつれ、様々な夢が頭をもたげてくる。将来、息子と一緒に色々なことがしたい。  まずキャッチボールである。前方にボールを投げ、相手がつかみ、ボールを投げ返してくる。また、投げる。延々その繰り返し。た...

嫌いな味覚を克服できてしまう不思議な現象

 味覚は年齢とともに変化する。  このよく耳にするフレーズは、半分正しいけれど、半分正しくないと思う。  例えば僕の場合、確かに小さな頃に食べられなかったピーマンや生魚は食べられるようになった(正確に言うと、ピーマンは「好き」に近く、生魚は「食べら...

いつかなくなるかもしれない仕事に明け暮れていた

 写植オペレーターや電話交換手のように、時代とともに消えてゆく仕事がある。あの仕事もそんな運命にあるのだろうか。それとも、数十年後も今と同じように存在しているのだろうか。シュー、ガチャ、シューという音とともに。  昨年から今年にかけ、縁あって地ビール会社...

酔いを劇的に覚ます唯一の方法を知ってしまった話

 お酒を飲んで気分が悪くなったとき、人は何をしてその状態から脱するのだろうか。夜風に当たる、水を飲む、温かいものを飲む、横になる、顔を冷やす、シャワーを浴びる、あたりだろうか。ただ、そのいずれにしても即効性はない。快方に向かうことはあっても、すぐに元の状態に戻...

ブエノスアイレスでビールを買う方法

 何やらわけがわからないけれど、異様にひかれてしまう国ってあると思う。別にその国が生んだ作家が好きなわけでも、その国の歴史に興味があるわけでも、その国のイメージ写真に使われるような絶景に目を奪われたわけでもない。  僕にとってその一つがアルゼンチンであり...