REVIEW

アメリカ人ビール醸造家と日本人ラーメン店店主はカメラを威圧しがち(ダブルブラックIPA/リバイバルブリューイング)

今夜もどこかのビアバーでは男が女に向かって、 「IPAというのは、昔イギリスが植民地のインドにビールを輸送するにあたって、長い航海で劣化しないよう殺菌効果のあるホップを大量に投入したため、ホップの個性が際立つスタイルになったんだよ」 というIPA(...

ヤッホーブルーイングと谷川俊太郎が重なって見える(僕ビール、君ビール。よりみち/ヤッホーブルーイング)

最近、色々なところでビールの初心者向け教室を開講させてもらっている。当然、そこに来るのはビール感度の高い人で、「よなよなエールが好き」という人が多い。コンビニに並ぶというのはやはり大きいのだな、と実感する。 よなよなエールをリリースしているのは、星野リゾ...

昔ながらの地方のお土産ビールが1本300円で買える時代に突入?(チョンマゲビール アルト/山口萩ビール)

 萩。気にはなっていたけど、一度も訪れたことのない町だった。先日、九州に行った帰りに予定のコースを変えて立ち寄ってみた。短い滞在時間だったものの、早春の萩は色彩に満ちていて、それでいて穏やかで非常にいい印象だった。今度は泊まりでじっくり回りたい。  ラン...

女子人気が高い銘柄がフルーティー&低アルコールになって鬼に金棒状態(ヒューガルデンロゼ/ヒューガルデン)

 20代の頃、下北沢北口にあるノースサイドカフェでよくヒューガルデンを飲んだ。無機質だけどどこか温かみのあるスタイリッシュな空間。ざわつく店内で黄色く濁ったそいつを一口飲んで、「あー、いかにも東京だなあ」と東京育ちながら思ったものだ。  そこでは樽生が飲...

ボケよしツッコミよし。ノリ突っ込みも駆使する関東人(アッサムボック/ヴェルテンブルガー)

 ボケとツッコミは関西人の専売特許ではない。でも、関東人と関西人を集めたら、おそらくボケやツッコミを繰り出す率は関西人の方が大きいだろう。ボケたり、突っ込みを入れる関東人もいるにはいるだろうが。  ビールは酵母の違いで「エール」と「ラガー」に大別できる。...

飲み手の松田優作化が顕著!2大“なんじゃこりゃビール”の一角(オード・ベールセル・オード・グーズ/オード・ベールセル醸造所)

 それまでの人生の常識で尺度を測れないとき、人は松田優作でもないのに「なんじゃこりゃ!?」と叫ぶのだろう。  個人的にベルギーのランビックは、ビール界に君臨する2大“なんじゃこりゃビール”と言えると思う(もう一つは、POST DATE:2015.10.01

ビール界の仁絵。ビールへの愛を試されるスモーキーな一本(シュレンケルラ・ラオホビア メルツェン/ヘラ―醸造所)

 モーニング娘。の保田圭、SPEEDの新垣仁絵、LUNA SEAの真矢。  1980年生まれ前後の方なら、この3人に共通する雰囲気を感じ取ってもらえると思う(PENICILLINのO-JIROを加えても問題ない)。つまり、グループの中において本流とは言え...

世界最大のビール博物館を擁するヴァイス専門醸造所の逸品(マイセルズ・ヴァイス/マイセルズ醸造所)

 飲むビアスタイルに合わせてグラスを変え始めたら、おそらくあなたは引き返せないほどのビール好きになっているはず。そういう意味では、ドイツ製高級グラス「シュピゲラウ」の購入はビール好きにとって「Point of No Return」と言える。  夏草が流れ...

ネッシーの故郷にある醸造所が造るオーガニックビール(HIBERNATOR OATMEAL STOUT/BLACK ISLE)

 「オーガニック」という表記に一切惹かれない。  別に毛嫌いしているわけではない。ただ単純に興味がないのだ。例えば、「この野菜は“好きな色が紫”の農家さんが作りました!」という宣伝文句を見てどう思うだろうか。「うーん…好きな色が紫か…買うのはよそう」とか...

金色の普通のビールかと思いきや、気づくと結構酔わされている魔性のビール(Duvel/Duvel Moortgat)

 2005年12月8日。AKB48が秋葉原の劇場で初公演を行った際、一般入場者は7人だけだったらしいが、「彼女たちはいつか東京ドームで公演をする」と予測できた人はいただろうか。たぶんいなかっただろう。  同じように、僕は10年以上前にビアバーで飲んだデュ...