【様子をレポート】オンラインビールセミナーに鳥取から参加して考えたこと


先ほど、ラジオでMCの方がリスナーのメールを読むとき、「今回のコロナうずで…」と話していたのを僕は聞き逃さなかった。

コロナ禍(か)である。渦(うず)でも鍋(なべ)でもない。

最近、全国的に緊急事態宣言が解け、「少しずつ経済を回していこうか」という流れにはなっているが、コロナの完全終息はまだまだ先だろうし、「いや、終息はないのではないか」という意見も出ている。

世の中ではリモートワークが導入され、リモート会議が開かれ、オンライン飲み会が行われた。その流れのなかで「オンラインセミナー」も開催されるように。そして、ついに僕のところにも「オンラインビールセミナーに参加しませんか?」という声がかかった。

事前にビールと専用グラス到着でテンションUP。

イベントタイトルは、
おうちでクラフトビールを更に美味しく飲むコツを公開!「クラフトビールテイスティング体験会」である。

趣旨は【スプリングバレーブルワリー東京の人気商品「496」「on the cloud」が全国発売を開始することを記念し、おうちにいながらもより美味しくクラフトビールを楽しむためのグラスの選び方や注ぎ方、フードペアリングについて実際に商品やグラスをご自宅に送付し、当日ご体験いただきながらご紹介します】とのこと。

爪を立てる勢いで「参加します!」と返事をすると、なんと事前に荷物が届いた。

ビール×2本、グラス×2個、そして今回の資料である。サンプルのビールを送っていただくことは仕事柄多々あるが、グラスまで送っていただいたのは初めて。これはオトク感がある。資料を読んでみると、可能であればご準備いただきたいものの中に「豚の角煮、水餃子」とある。

オンラインビールセミナーを盛り上げるべく、ビールをよく冷やし、グラスをよく洗い、豚の角煮と水餃子をよく買って当日を迎えた。



資料のグラフがセミナーに参加してる感を醸成。

セミナーの開始は15時。仕事場のデスクでは小さいのでリビングにPCを移し、豚の角煮と水餃子を用意してそのときを待った。

そして、いよいよ始まった。講師はSVBブランドアンバサダーの金川瑞穂さん。鳥取で「ブランドアンバサダー」なる人物に出会うことは皆無。これだけで貴重だ。

最初は金川さんによるプレゼン。「直近の家飲みトレンドとクラフトビール」と「SVB について」の順で話が進む。

なんでも家飲みでは「いつもより少しリッチな商品」が求められ、結果として「クラフトビールの需要増」につながっているという。グラフを見る感じが実に「セミナーに参加してる感」を醸成してくれて感慨深い。

実にスムーズな流れで今回の「496」「on the cloud」の話題へ。金川さんからは「では、実際に飲んでみましょう!」との声が。まだ午後の3時台。外は明るい。近くに妻もいる。でも、ブランドアンバサダーに提案されたら飲むしかないではないか(言い訳はしていない)。

お待ちかねのテイスティングタイムで昇天。

まずは「on the cloud」から。高いところから注いで泡立たせた。注ぎ方もオンライン上で教えてくれるのだ。

次が「496」。泡がないのはあえて。この方がビールのバランスと香りがより味わえるのだとか。

事前に準備していた料理と合わせる。水餃子は「on the cloud」、豚の角煮は「496」と。

これが美味しくないわけがない!小麦を使った「on the cloud」と小麦粉が原料の餃子の皮は風味が通底。ポン酢の酸味とビールのフルーティーな酸味も響き合って最高だった。豚の角煮と「496」の組み合わせも絶妙。モルトの甘みとタレの甘みがまずフィットする。その後、肉や脂のこってり感をラガーならではのキレで洗い流してくれるのだ。

 わずか2本にもかかわらず、明るいからか酔いが回るのが早い気がした。最後、質疑応答の時間もあったのだが幸せ過ぎて思考回路が止まってしまって質問が全く浮かばなかった。いや、金川さんの資料が完璧だったのだ。浮かんだ質問の答えは全て資料で説明されていた(言い訳はしていない)。

コロナ「禍」ではなく、コロナ「可」へ。

実際に参加して本当に楽しかったし、美味しかったし、勉強になった。このセミナー、コロナ以前だったら東京とか横浜とかのスプリングバレーブルワリーで開催されていたはず。つまり、鳥取在住の者にはノーチャンスだったわけだ。

実際に広報関係の企業や取材者は東京に集中しているので、これまでは問題なかったのだろう。ただただ地方在住ライターや企業がスルーされていたのだ。僕もこれまで東京のイベントレポートを何度見て、何度泣いたことだろう。いや、もはや慣れ過ぎて「いいなあ」と思うこともなくなってきた。

もちろん、ビールサーバーから飲んだり、現地のシェフが作る料理を食べたり、オープンしたばかりのお店の中に立って雰囲気を感じたりといったことはオンラインではできない。でも、今回のセミナーのようにビールを瓶にし、料理を参加者に用意させるといった工夫次第でいくらでも実現にこぎ着けることはできる。

今回のコロナ「禍」は、地方在住者にとってこれまでできなかったことを可能にしてくれるコロナ「可」とも言える。今後とも地方の人が参加できるよう、イベント主催者の方々にはオンラインでのセミナー開催をお願いしたい次第である!