恥ずかしながら世界史を勉強してみたら世界が変わった


多くの人に聞いてみたいのだが、

「神聖ローマ帝国とは、今のどこの国にあたるでしょうか?」

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正解は…ドイツ。僕はもう完全に響きからイタリアに存在した国だと思っていた。と言うより、「神聖ローマ帝国」についての知識はゼロで、もはや「なんかどっかで聞いたことあるな」レベルのイソプロピルアンチピリン風ワードだった。

今、僕はアラフォーにして世界史を学んでいる。YouTubeに世界史の授業の動画をアップしてくれている先生がいて、全200本の動画をコツコツと鑑賞しているのである(現在134本まで視聴済)。確かきっかけは、その先生の紹介記事を読んだことだった。「へえ、そんな動画チャンネルがあるんだ」と一度見てみたのが始まりだった。

高校生のとき、世界史の授業はめっっちゃめちゃにつまらなかった。大学受験でも日本史を選んだので、僕のなかで世界史知識の大空白問題が横たわっていた。まあ、それで困ることも特になかったので何となくここまで来てしまったのだけど、だからこそ授業を受けると新鮮な驚きの連続なのである。

・え?元々はドイツとフランスとイタリアって同じ国だったの!?
・中国って常に北の異民族に手を焼いていたんだなあ…。
・スペインとドイツの王様が同一人物のときがあったんだ~!
・イギリスでは王様の首を公開でちょんぎったの?まじか!

などなど本当に驚くし、めっっちゃめちゃに面白い。それに、例えば「ルネサンス」みたいなよく聞く言葉の意味も今回初めて理解した。それまでは「ルネサンス=ワイングラスを掲げるときの挨拶」とまでは思わなかったけど、「ルネサンス=なんか劇的に変わること」くらいの認識でいた。先日、「神中心だった中世から人中心の時代へ」みたいな中身を学ぶことができた。遅ればせながら常識を取り戻している、という感覚がある。

今の日常生活のなかで、僕は3つの分野で学びの時間を設けている。




一つはビール。毎日45分間は本や文献を精読し、大切なところを忘れないようにノートに取っている。2つ目はノンフィクション。これは主に夜間、ちょっとずつ読んで週に1冊ペースで読了している。そして、この世界史だ。

ビールとノンフィクションについてはある意味で仕事だと思っている。何も学ばずして今後も書き仕事を継続していくことはできないから。その一方、世界史は純粋な趣味。仕事のためとか受験のためとか目的が一切ない。

これが精神衛生上、すこぶる良い。

「次はどんな話が聞けるのだろう?」とワクワクし、知的好奇心が満たされて、さらにもっと知りたいと願う。たぶんこういうサイクルに入っているとき、人は深刻に思い詰めたりしないだろう。

最近気付いたのだけど、日常生活を送っていると色々な副産物があることに気付く。一つは本屋や図書館などで視野が広がったこと。それまで世界史のコーナーには寄り付きもしなかったのに、授業で耳にした用語や人名、地名や事件名が書かれた本に興味がわいてくる。これまでの僕だったら、「コンスタンティノープル」という語に何の魅力も感じなかったけど、つい背表紙に手を伸ばしてしまった。

また、これは意識していなかったけど世界史コンプレックスが消えたのが大きい。世界のビールの授業を行う際、歴史について話すこともあったのだけどどこか自信がなかった。そりゃそうだ、神聖ローマ帝国がイタリアだと思っていたくらいなのだから。でも、今なら自信を持って歴史について語れる。

そして、最大の影響が、「めちゃめちゃ海外に行きたくなる」というもの。もう今だったらどこでもいい。イギリス、アメリカ、ドイツ、ベルギー、チェコ…。どこでもいいから(と言いつつビール大国ばかり)その土地に赴いて歴史(とあわよくばビール)を感じたい。

さあ、明日は何の話が聞けるだろう?楽しみだ!