さて、そろそろ反撃してもいいですか?


ひと昔前に某携帯会社が「さて、そろそろ反撃してもいいですか?」というキャッチコピーでキャンペーンしていたのを憶えている。威勢のいい言葉とは裏腹にビミョーな施策が続いた結果、会社単位で豪快に滑って後頭部をしこたま打ちつけていた記憶がある。

ただ、このキャッチコピーほど今の鳥取在住ビアラバーの気持ちを代弁してくれている言葉はない。夏から初秋にかけて、東京では魅力的なビールイベントが相次いで開催されていた。SNSが発達した現代。画面の向こうに広がるビア天国を眺めながら何度歯ぎしりをし、悔し泣きで枕を濡らし、「キー」と言いながらハンカチを噛んだことだろう。

コウメ太夫の決め台詞に彩られた鳥取からの強烈なカウンター。それが10月1日から催されている、大山Gビールの工場併設レストラン「ビアホフ ガンバリウス」恒例の「秋の大山 地ビール祭り」である。大手の商品より価格が高いクラフトビールが税別ながら期間中、なんと千円で飲み放題になってしまうのだ。

実はこの企画、東京など都会のビアラバー達から「一度は行ってみたい」イベントとして憧れられている。もはやオーロラやリオのカーニバル見物などと肩を並べている、と言ったら若干の過言だ。山陰の人達はこの機会にめくるめく大山Gビールのパレードを写真に収めて、これ見よがしにSNSに投稿したい。

そしてこのイベント、運ばれてきた空のグラスを前に飲む順番を考える行為がべらぼうにワクワクする。その姿は打線を考える野球の監督そのものである。思案を巡らせた後、僕はこう呟く。さて、そろそろ飲んでもいいですか?と。酔っ払い過ぎるあまり、豪快に滑って後頭部をしこたま打ちつけることは決してないようご注意を。