ボケよしツッコミよし。ノリ突っ込みも駆使する関東人(アッサムボック/ヴェルテンブルガー)
ボケとツッコミは関西人の専売特許ではない。でも、関東人と関西人を集めたら、おそらくボケやツッコミを繰り出す率は関西人の方が大きいだろう。ボケたり、突っ込みを入れる関東人もいるにはいるだろうが。
ビールは酵母の違いで「エール」と「ラガー」に大別できる。「エール」は香り豊かでコクがあり、「ラガー」はすっきりしてキレがあると頭に入れておいて大きな問題はない。と言うより、そういうベースとなる指針を持っていないと、広大なビアスタイルの海を泳ぐのが難しくなって溺れてしまう(溺れるの上等!という価値観も素敵だ)。
そこにはしかし、当然のように例外が存在する。ボケとツッコミを駆使しない関西人がいるように。ノリツッコミが上手な関東人がいるように。
前置きが長くなったが、すっきりしてキレがあることが多い「ラガー」の中において「ボック」というスタイルは、「エール」のように香り豊かでコクがある。チョイスしたのは、ドイツはヴェルテンブルガーのボック。1050年に醸造が始まった、修道院醸造所最古のブランドと言われる。
先日の降雪に合わせて、-4℃の雪中ロケを敢行。冬とビールは合わない、ましてや雪の日とビールの組み合わせなんてありえない!という人も多かろうが、このボックはアルコール度数が6.5%と高めなので、寒い日にチビチビ飲むのに向いている。むしろ、夏の炎天下ではできれば避けたい類の一本だ。
干しブドウのような香りのなかに、僕はシナモン的な癖のあるアロマを感じる。一口飲むと同じ「ラガー」仲間の代表格「ピルスナー」とは全く違うことがわかるだろう。とにかく濃い。液体の中にぎっしり感があり、グビグビ飲むのは難しい。醤油っぽさもあるため好みははっきり分かれるだろうが、一度飲んでみて損はないスタイルだと思う。少なくとも「ラガーの世界も奥深いんだなあ」ということは感じられる。もし気に入ったら、ボックをさらにハイアルコールにした「アイスボック」も楽しめるはず。