箇条書きと写真で綴るビア旅(大阪~兵庫編)その2


・大阪駅の発車音が「やっぱ好きやねん」であることと、エスカレーターで立ち止まる人が右側にいることで、大阪にいることを強く実感させられる。

・先日カラオケでたかじんの「なめとんか」を熱唱したとき、友人に「発音が東京だ」ということを言われ、歌でもイントネーションって出るのかと膝から崩れ落ちた。歌い続けてもう2年なのに…。

IMGP4044

・ずっと行きたかった箕面ビール直営のビアパブ「BEER BELLY」(土佐堀)に到着。まだ夕方。明るいうちから箕面ビールがドラフトで飲めることほど幸せなことってそうそうない。

IMGP4045

・店はイメージよりも小ぢんまりとした印象。既に常連さんらしき人たちが飲み始めていた。居並ぶドラフトタワーを眺めるため、カウンターに陣取った。

IMGP4046

・優美な曲線を描くドラフトタワーを見ようと思ったら、目の前で肉の塊が鎮座ましましていた。これはこれで美しいラインを描いていた。

IMGP4048

・最初に注文したのは、ピルスナー。うまし。説明のしようがない(ライターとしての職責放棄)。

・おさるIPAのリアルエールも注文。リアルエールとは、樽の中で二次発酵させつつ炭酸ガスを逃し、注ぐときも炭酸ガスを使わずに井戸的な手動サーバーで注ぐビールのこと。乱暴に言うと、常温で炭酸の弱いビールだ。ホップの香りとモルトの味わいをじっくり堪能した。正直、リアルエールの良さはまだわからないのだけど、ビール好きの終着点はリアルエールのような気もする。アイシャルリターン。

IMGP4055

・この「BEER BELLY」、クールなネーミングかと思いきや、実は意味は「ビール腹」なのだとか。

・お隣のビアラバーの方とビール談議をしながら、グラスを重ねていたらいつしか夜に。僕がお邪魔した土佐堀の「BEER BELLY」は近々、醸造設備付きに生まれ変わる。移転先はなんとお隣り。また戻ってこよう。アイシャルリターン。

IMGP4060

・その後、大阪在住の友人(ビール好き)と合流し、天満のStanding Beer Bar 1020へ。友人は週1で通っているらしい。カウンターのみで、6人も入れば満席感の出る狭い店だった。

・木曽路のプレミアムラガーに始まり、ベアレンのゆずヴィット、厚木のスタウト、湘南のベルジャンレッドなどを飲んだが、名前をメモするので精いっぱい。楽しくて、美味しかった!以上!(ライターとしての職責放棄その2)

IMGP4068

IMGP4064

IMGP4066

・お隣の男性2人組(初来店)がお店の人に「おすすめ」や「喫煙の可否」「どんなビールか」などを聞いて怒られたんですよと苦笑いしていた。お店の人いわく、タブーのグランドスラム達成。こちらのお店、約束事が多い。喫煙NG、店主にビールのこと聞くのNG、ビール飲めない人NG、店内の電話NG…等々。「へえ、こんなお店が存在するんだなあ」と勉強になった。

・天満という街はなかなか趣があった。東京も大阪も詳しい人いわく、錦糸町似らしい。ついでに言うと、天王寺は上野、なんばは新宿、心斎橋は渋谷、北千住は東大阪、下北は福島、吉祥寺はあやめ池に似ている模様(異論はあるかも)。そういえば、フランス在住の人がパリは東京、マルセイユは大阪、リヨンは名古屋と例えていたけど、そういう街のポジションの類似性って面白いテーマだな。

IMGP4073

・酔い覚ましに大阪夜景観光。ライトアップされた大阪城も遠くから見た。30年東京に住み、近畿圏と縁がなかった自分にとって、大阪とはまだまだ淡い異国の地だ。非日常的な光景を楽しみ、友人と別れ、気付いたら宿の布団の中にいた。

IMGP4081

・翌朝、しゃっきり目が覚める。昨夜の帰宅途中、ケンちゃんラーメンに寄った記憶を思い出し、写真に押さえておいた。「新発売」とはどこにも書いてなかった(若い人には伝わらない)。

IMGP4084

・ケンちゃんラーメンの後は小西酒造へ。対応してくれたのは、ベテランブルワー辻さんと若手の山口さん。これまで取材は全て辻さんが一手に引き受けていたが、今後は山口さんに任せていくとのこと。もはや醸造も任されている山口さんは、コエドから世界へ羽ばたこうとしている植竹氏と同い年で仲が良いらしい。この世代が日本の次世代ブルワーの中心になるのだろうと推測(植竹さんはカナダに行ってしまうが…)。

IMGP4090

・訪問した蔵は非常に古く、200年前に建てられたもの。「すごい古いですね」と辻さんに言うと、「この蔵はまだ新しい方です。400年前の蔵もありますよ」とのこと。さすが創業西暦1550年。戦国時代から酒を造り続けているだけのことはある。

IMGP4093

・辻さんが「あとは若い2人で…」とお見合い時の仲人的セリフを残して中座。

・そんなわけで、山口さんの案内でモルト粉砕スペースから見学。翌日にスノーブロンシュを仕込む日だったので、小麦入りのモルトを見ることができた。確かに白い!

IMGP4094

・機械の多くはベルギー製。ベルギーに現地スタッフもいるというのだから驚き。

IMGP4096

・長寿蔵の2階は、かつての酒の醸造設備を見学することができるようになっている。社会科見学に来ているような感じで楽しい。

IMGP4098

IMGP4102

・銅製の仕込み釜。もちろん、ベルギー産だ。ちょうど仕込み中だった。

IMGP4105

・山口さんをパチリ。ものすごく丁寧に設備を案内してくれて、恐縮してしまうほどだった。こういうまっすぐで勉強熱心な若手が引き継いでいるなら、小西酒造もしばらく安泰なのではと思った。

IMGP4110

・現在、年間製造量は約100Kl。これは現状の設備ではマックスとのこと。海外からもたくさんの引き合いの声がかかるらしいが、増設の予定はないそうだ。

IMGP4120

・この写真は下から天井を撮ったもの。昔ながらの蔵を改築しているため、蔵つき酵母が梁に。

IMGP4127

IMGP4129

・レストランの待合スペースには、受賞の証がズラリ。特に“ビール界のオスカー”ことBIIA(現IBA)で白雪スノーブロンシュが金賞と、金賞ビールの中から選ばれるチャンピオンビールに選ばれたのはかなりの快挙だ。

IMGP4122

・取材後、新鮮なビールを併設のレストランでいただきました!…といきたかったが、この後、車で帰るためお預け。お土産屋の方でたんまりと入手し、帰路に就いた。大阪と兵庫、また再訪しよう。アイシャルリターン!

IMGP4130

(了)※鳥取までの帰り道で初めて見た、トイレ俯瞰図とともに。