ビール好きがコンビニの酒売り場からもはや目が離せない理由


ローソン×ヤッホーの新作がまた登場。

インベーダー
 
という単語を聞いてピンとくるのはおそらくインベーダーゲームにハマった中高年以上の超オーバーエイジ世代だろう。では、
 
裏庭インベーダー
 
という単語を聞いてピンとくるのは誰か、と言うとこれは間違いなくビール好きである。
 
今春、軽井沢にあるヤッホーブルーイングがローソンと共同で開発しているオリジナルクラフトビール「僕ビール、君ビール。」に「裏庭インベーダー」という限定アイテムが加わることが発表された。ビアスタイルは「イージーホップクリームエール」という聞き慣れないもの。これを知って「別に飲まなくてええわー」と思うビール好きはあまりいないはず(僕も発売日の4月24日に入手する所存。なんなら前日フラゲも辞さない)。毎度毎度ヤッホーはうまいことやるなあと思うわけである。

コンビニから始めるクラフトビール。

こういったコンビニ限定アイテムが出てくるなど、今、コンビニエンスストアという空間はビール好きの大きな注目を集めていると言っても過言ではない。
 
鳥取県というマイナー県に住んでいるビール好きは、おそらく何度もコンビニに救われている。もちろん僕もそうだ。東京に住んでいた頃はビール棚が充実しているスーパー、成城石井の近くに住んでいたので国内外の色々なビールを手軽に買うことができた。ところが、こちらのスーパーでは国内大手メーカー一択。一切トキメキを覚えないラインナップなのだ。その点、こちらにもあるローソンに行けば少なくともよなよなエールやギネス、常陸野ネストやヘリオスなどそれなりに多彩なビールが並んでおり、目の保養ができる。その目はもはや若いイケメンを見るマダムの目と同じである。
 
コンビニ依存が激しいそんな鳥取ならでは?の授業を先週末、NHK文化センター米子教室で開講した。その名も「コンビニから始めるクラフトビール」。
 
実際にテイスティングしたのはこちら。
 


 
・セブンプレミアムゴールド 金のビール
・黄桜 星あかり ブラウンエール
・常陸野セッションIPA
・ヘリオス酒造 肉専用ペールエール
・ヤッホーブルーイング 僕ビール、君ビール。
・グランドキリン 梟の森
 
迷いに迷ったが、幅広いスタイル、コンビニ3社やブルワリーのバランス、ユニークさ、レアさ…etcを鑑みて以上の6本をチョイスした。本当は「よなよなエール」や「水曜日のネコ」、「インドの青鬼」なども入れたかったのだけど、それだと「コンビニから始めるヤッホーブルーイング」になってしまう。
 
受講者の方からは「コンビニにこんなに面白いビールがあるなんて知らなかった」「帰りにコンビニに寄ります!」「あまり期待してなかったけど面白かった!」などなど高い評価をいただけた。期待してないにもかかわらず来てくれて本当にありがたいとも思った。




ビール売り場としてコンビニが優れているところ。

コンビニエンスストアがビールの売り場として優れているポイントはいくつかあると僕は思う。
 
1 地域間格差がない!

これは鳥取県民としては非常に大きい。都内にしかないスーパーや専門店やマニアックな酒屋で並んでも全く意味がないのだ。「へえ、また東京ですか。いいですねー」と得意のいじけモードが炸裂してしまう。微妙な差はあれど、基本的にローソンに並ぶビールは北から南までだいたい一緒で差がない。
また、最近だとキリンが「本麒麟」なる新商品をリリースしたけど、コンビニでは発売とほぼ同時に店に並んでいた。鳥取だから入荷は2週間後、とかそういうのがないのが実にありがたい。

2 限定アイテムがある!

ヤッホーブルーイング×ローソンの「僕ビール、君ビール。」に限らず、今はコンビニ限定ビールが結構多い。実はセブンイレブンが大手メーカーと組んで色々と限定アイテムを出している。例えば、「キリン ブラウマイスター」、「ヱビス#127」、「ザ・プレミアム・モルツ〈スパークリングゴールド〉」などがそう。つい最近もキリンがセブン&アイ専用の「一番搾り」を発売すると発表した。
他にもファミリーマート×サントリーの「ブリュワーズ・バー」やファミリーマート×サッポロの「月のキレイな夜に」など続々とリリースされている。

3 鮮度がいい!

これは地味なメリットだと思うのだけど、コンビニのビールで古いものに当たった試しがない。おそらくビールファン歴10年以上の選手ともなれば、飲んだ瞬間に異変に気付いて缶をチェックし「あーあ、賞味期限過ぎてるじゃん…」って経験が一度はあるはず。僕も何度かある(スーパーより酒屋が多い)が、ことコンビニではそういう経験をしない。ビールは基本、鮮度が命。回転の早いコンビニはその点安心して購入できる。

4 ペアリングが楽しめる!

ビールが多種多彩ということは、合わせる料理も多種多彩、ということである。その点、コンビニはすごい。乾きものはもちろん、揚げ物や焼鳥などのホットスナック、缶詰やパン、スイーツなどビールに合わせられるフードが揃い踏みだ。多彩なビアスタイルに合わせて
色々なペアリングを試みることができるのはメリットと言える。今回の授業で選んだ「ヘリオス酒造 肉専用ペールエール」は缶つまコンビーフとソーセージ(どちらもコンビニで購入)と共に楽しんでもらった。

 

コンビニ大手3社のビールに対する姿勢。

今回、授業を開講するにあたって何度もコンビニ(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン)に足を運んだ。そこで見えた店ごとの傾向も紹介したい。ちなみに現在、コンビニは大手3社による完全3強時代と言えるので、その他の店は省いている(すまぬ、ホットスパー…あ、もうないか)。
 
セブンイレブンの傾向…
 
一言でいうと、セブンイレブンのビールのラインナップは「ワクワクしない」。いや、もちろん、セブンでしか買えない限定アイテムは結構あるのだ。今後は一番搾りもセブン限定の味になるから楽しみではある。でも、限定アイテムがこぞって大手と組んだ、攻めの姿勢の見えないアイテムばかりなのである。「金のビール」や「和の逸品」は美味い。でも、売り場を訪れたときの高揚感はない。つまらないスーパーのビール売り場に似ているのだ。まあ、ビール好きなんて無視しても問題ないくらい少ないと思うので、セブンはセブンの考える王道を進めばいいと思う。
 
 
ローソンの傾向…
 
ビール好きに「一番好きなコンビニは?」と聞いたら、おそらく70%以上が「ローソン」と答えると思う。それくらい他の2社を引き離している印象。まずヤッホーブルーイングのアイテムがずらりと並んでいる時点で心が躍る。それに加えて、最近では常陸野ネストやヘリオス酒造、エチゴビールなど国内のクラフトビールやレーベンブロイ、バドワイザー、ハイネケン、ギネスといった外国勢も並ぶ。
ナチュラルローソンはさらにとんでもなくすごい品揃えだが、鳥取にはないので割愛したい(鳥取にも作って…)。
 
 
ファミリーマートの傾向…
 
最近、明らかにビールに力を入れているのがわかるのがファミマ。以前はコンビニにおけるビールは「ローソン一強」という印象だったけど、ここにきてのファミマの巻き返しには目を見張るばかりだ。よなよなエールが並ぶようになったのも嬉しいトピックスだったし、最近では銀河高原、黄桜、軽井沢ビールなど国内クラフトのアイテムも揃っている。さらに、グランドキリンのような大手のクラフトレーベルにも棚を割いているし、限定アイテムにも力を入れている。おそらく「打倒!ローソン」の掛け声でビール棚が改革されたのではないか。
 

おしまいに

この前、授業もやったし「ビールとコンビニについてちょっと書くか…」と軽く執筆を始めたら結構長くなってしまった。鳥取に来てからますますコンビニ愛が強くなっている。
 
最近、近所にあるローソンのビール棚をチェックし続けているせいかちょっとした変化でも「あ、手を入れたな」と敏感に気付くようになって、「家具の角度やゴミなどの微妙な変化で部屋によその女が入ったことを即座に察知してしまう同棲中の彼女」状態になってる自分が怖い。
 
でも、今後もビール棚ウォッチングに勤しむ所存である。