ビールはレビューを書くときじゃなくて飲むときが一番楽しい
日常を記録するSNSがいつの間にやらFacebookからinstagramに変わった。
たぶんFacebookがなんとなく公的な雰囲気をまとってきたから、カジュアルな(もっと言うと、どうでもいいような)写真が以前より浮くようになったからだと思う。それと、僕はinstagramを交流スペースというよりは、自分の日常や非日常的なイベント、季節を感じさせる風景を切り取って綺麗に並べる場(並べられた他者の写真を見る場)として便利だ!と捉えている。ただの記録だったらスマホで撮った写真は全て自動的にgoogleフォトに同期されるからそれで事足りるのだけど、選別して後で見返したくなるアルバムを作るようなところにinstagramの意味を感じている(Facebookは過去を見返すのに向いてないと思うのは僕だけだろうか)。
ちなみに、instagramはTwitterとは連携させている。Twitterにはその他、どうでもいい呟き、くだらない写真を記録中(Twitter空間はおふざけが許容どころから礼賛される貴重な場だ)。記事はこのブログや各種媒体で更新し、その情報をFacebookやTwitterで流している…と書いているといかにもSNSに踊らされている感じがするのだけど、地方でフリーライターをやっている者にとってこれらの使い分けは最低限やっておくべきものだったりする。SNSは日々の記録でありながら、同時に遠方から仕事を取ってきてくれる優秀な営業マンでも、自分の作品を紹介してくれるポートフォリオでもあるのだ。ま、きっと状況はまた刻々と変わってゆくのだろうけど。
さて少し前、instagram(&連携先のツイッター)に飲んだビールをアップしていて、「レビューは書かなくなったの?」という声を頂戴した。確かにかつて「エッセイ」とは別に設けた「レビュー」というコーナーに、飲んだビールの感想などを書き記していた時期があった。ところが、最近は全く書いていない。
理由を一言でいうと、「面白くない」のである。
ビールのレビューとエッセイ半々の文章が書けたらいいのだけど、それをするくらいならネタをちゃんとエッセイに回したい。かと言って、「醸造所が設立されたのは今から…」とか「干しブドウに似た香りが…」とか「グラスを傾けるとホップのジューシーさが感じられ…」とかマニアックな記述に終始しても楽しくない。それ以前に、飲む前から「どう撮ったら綺麗だろう?」と考えて何枚も写真を撮り、飲むときも「どう表現したら伝わるだろう?」と思いを巡らすのが億劫なのだ。あるとき、「もう面倒だから全部やーめた!」と放り投げたらビールを飲むのが劇的に楽しくなった。今instagramに書いているのは醸造所とビールの名前、簡単な感想のみ。写真も1~2枚だけ撮って「さあ、飲もう!」となっている。
ビールの専門家としてやって行こう!と思っている人はこれでは駄目だと思うけど、僕はただのビール好きのライターだ!と自覚しているのでこれでよしとしている。ただのビール好きのライターは、決してビールを主目的にしない!よって…
・情報で飲まない、感性で飲む。
・ビールだけを写真に撮らない。
・感想は「美味!」だけでもOK。
・必要としない人に説明をしない。
・一杯を心底楽しむことが一番の学び。
こんなスローガンでやっていこうと思う。「人生が楽しくない→ビールで楽しもうとする」という日々が僕にもあったけど、これはあまり救いがない。たぶん究極の理想は、「人生が楽しい→以上」なのだけど、そこまで行けない僕は、「人生が楽しい→ビールを飲んでもっと楽しい」という日々を送っていこうと思う。…最高か。