Twitterで1万リツイートされてわかったこと


 鳥取に大雪が積もった先月下旬、何気なく風呂で撮った写真をTwitterにアップしたところ、たちまちのうちに拡散した。

 軽いおふざけのつもりだったのに想像以上にリツイートされ、その数は最終的に1万回を超えた。Twitter界には数万から数十万リツイートされる呟きもあるけど、1万というのはそれなりの大台と言えるだろう。今回、そんな稀な経験をしたので色々と考察してみたい。

拡散した3つの理由

まずおそらく拡散した理由は3つある。

1 ネタがタイムリーだった
2 写真にインパクトがあった
3 ツッコミどころがあった

 このツイートをする前、知事が自衛隊に災害派遣を要請するなど全国ニュースで鳥取の大雪が取り上げられていた。多くの人の脳裏に「なんか鳥取が大変なことになってるな」という思いが去来しているタイミングだったのがまずベースにある。そのうえで、窓一面に雪がうず高く積もっているという一目見て異様な光景の写真だったのがリツイートに値すると判断されたのだろう。
 「余計に心配になる」「雪見風呂の意味が違う」「楽しんでる場合じゃない」などなど突っ込みどころがあったのも拡散に貢献したのかもしれない。

リツイートされるとどうなる?

 で、リツイート数が1万を超えるとどうなるのか?以下にまとめてみる。

・まとめサイトに掲載された

 拡散真っ只中のタイミングで、まとめサイトの「ハムスター速報」から掲載の許可を求めるメッセージが届いた。これは意外だった。こういうサイトというのは許可なく勝手に掲載していると思っていたので。個人的にハムスター速報をフォローしていたこともあり、掲載OKのメッセージを送ると程なくして記事がアップされた。

【鳥取大雪】雪見風呂以外に言いようがない光景wwwwwwwwwwwwwww

 これをきっかけに他のまとめサイトに飛び火していった。その数はおそらく100ではきかないと思われる。広告収入目的でまとめサイトをまとめるだけのサイトがこれほどまでにあるのか、と驚いてしまった。

・地元の放送局やラジオに取り上げられた

 ツイートの拡散を知るや地元の「大山チャンネル」のディレクターから電話があり、番組で使わせてもらえないか?という打診があった。それから割とすぐに「PICKUP大山」という番組で放送され、Twitterをしていない人からも声をかけられることになった。
 また、以前アシスタントとして関わっていた文化放送の「嵐・相葉雅紀のレコメン!アラシリミックス」でも「鳥取に移住した元スタッフの矢野くんの家がすごいことになっていた」と会話されていたようである(フォロワーさんから教えてもらった)。

・フォロワーが増えた

 インプレッション(ツイートを目にした人)の数は100万を超え、僕のプロフィールを見た人の数も4千人を超えていたけれど、このツイートがきっかけでフォロワーになってくれた人はおそらく70人くらい。この数が多いのか少ないのかはわからないけれど、有名人でもない一般人にとっていきなりフォロワー数が70も増えることはそうない。
 嬉しかったのはあの有名ラジオ番組「おがっちのレトロ本舗」の有名MC小片悦子さんにフォローされたこと(有名って山陰限定だろ…というツッコミはタブー)。




・コメントが届く

 @を付けてコメントをする、いわゆるメンションをたくさんされる。いわば、コメントが届くのだけれど、よく知らない人の自己完結したコメントが多かったので、あまり返していない。あれって書いた本人は返信を求めているのだろうか。よくわからないけれど、放置させていただいている。

・世の中オタクが多いんだなと知った

 リツイートしてくれた人のプロフィールを見に行ったりしたけれど、普段いかに自分が狭い世界でTwitterをしているか思い知らされた。リアルの友達や好きなタレント、ビール関係のアカウントを見てそれがTwitterだと思っていたけど、将棋やコスプレ、バイク、野球、地下アイドル、アニメやボーイズラブに至るまで様々なアカウントを目にすることができた。人の興味関心というのはあまりに多種多彩だな、と感動した。
 たぶん多くの人は一般社会では普通の人に見られているのだろうと思う。Twitter社会に入ると、途端にエッジの効いた人間に化けるのだ。世を忍ぶ仮の姿だけで人を判断してはならない。そう思った。

・ツイートの中身より「拡散しているツイート」という事実の方が雄弁だとわかった

 ツイートの拡散と一発屋芸人は似たところがある。たぶん僕のツイートは最初のうちは閲覧した人が「あ、面白い」と判断してリツイートしてくれた。ところが、どこかのタイミングから「あの人がリツイートしたから」「何千回もリツイートされてるから」「話題になっているから」自分もリツイートしよう、と思った人が多くなったはず。もはや内容それ自身よりも拡散している、旬であるという事実の方が大きい意味を持ってくるのだ。
 商品は何一つ変わらなくても「コレ売れてます!」というPOPを付けるだけで選ぶ人が増える、というのはよく知られている現象である。ああ、これが世にいう「一人歩きする」ってことかと体感できたのは個人的に大きな収穫だった。
 
 
 
 以上、今回の一件でちょっとだけ自分の視野が広がった気がする次第である。もし今度拡散することがあれば、ライターだけに画像付ではなく言葉のみがいいなあと嵐が過ぎた今、ぼんやり考えている。