ちっちゃいグラスでビールを飲むといいこと尽くめ


 常識を疑ってみると意外な突破口が開けることがある。

 ビールの世界にも様々な常識がある。例えば、「ビールは缶や瓶のまま飲まず、グラスに入れるべし」「アルコール度数の低い順から飲むべし」「料理と合わせてこそビールは楽しい」…etc。でも、僕は直接缶や瓶から飲む醍醐味もあるし、1本目から度数10%のバーレーワインを飲むのもありだし、料理と合わせなくたってビールは楽しめると考えている。そもそもビールの大きな魅力はその自由さ。常識をあえて外してこそ、世界が広がって面白いと思う。

 最近、僕が外しているのは「ビールはスタイルによってグラスを変えるべし」という常識。世の中にはIPAグラスやピルスナーグラス、ヴィットビア用グラスまである。僕もビールマニアで知らない者はいないドイツのメーカー、シュピゲラウのグラスを購入し、スタイルによってグラスを使い分けていたこともある。が、正直言って、そこまでの違いはわからない。「正しいグラスで飲んでいる」という自己満足しか得られなかった。では、今は何で飲んでいるか?と言うと、100円ショップで購入したミニグラスである。容量は100mlといったところ。

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 これがすこぶる都合がいいのである。理由は以下の通り。

・シェアしやすい
・チビチビ飲める
・中断がしやすい
・注ぐたびに新鮮な気持ちで飲める
・たくさん飲んだ気になる




 まず一番のメリットは1本のビールを分けやすいこと。そもそも人とシェアしたときに使い始めたのがきっかけだ。例えば350mlのIPAを2人や3人で分けるとき、容量の大きいIPAグラスは使い勝手が悪い。ミニグラスがあるとだいたいぴったり3等分できる。それに、「グラスに満たされている」というのは視覚的にかなり重要なことだ。容量の合わないグラスだとちょっとしか入っていないように見えて、なんとなく心寂しくなるのである。

 それと、ミニグラスだとチビチビ飲める。グビッといくとすぐに無くなるので自然と一口が小さくなってよりゆっくり楽しめる。飲みを中断しやすいのも見逃せない。子どもが泣いたりしてその場を離れるとき、なみなみとグラスに入っていると「中断させられた」感が強くなる。一方、ミニグラスだと残りをクイっと煽ってその場を離れ、戻って来たときに改めて新鮮な気持ちで飲みを再開できる。

 そう、350mlや500mlを一人で飲み続けるときも、ミニグラスだと飽きることなく注ぐたびにフレッシュな気持ちになれる。以前はたまにあったのだけど、大きいグラスで飲んでいるとその1杯に飽きてくる。気持ちを細かくリセットできるのは実は結構重要なポイントだ。

 最後は経済的なメリット。このミニグラスで飲むと、確実に錯覚なのだけど、ビールの量を多く感じる。僕は「麦とホップ」が好きでよく飲む。これを普通のグラスで飲むと、あっという間に無くなる。ところが、ミニグラスで4回くらいに分けて飲むと妙にもつのである。そのため、2本飲まないと満足できなかったはずでも、1本で「終わりでいいか」という気持ちになる。

 これまで僕は、スタイルがはっきりしないビールを飲む前に「これはどのグラスで飲もうかな…」とよく迷っていた。で、しっくりこないと「うわ、チョイスをミスったかな」と余計な心労を負った。こういう試行錯誤も大事かもしれない。けれど、今は「ほとんどのビールをミニグラスで注ぐ」というやり方でビールライフがより楽しくなっている。

 さあ、皆さん、騙されたと思ってやってみてください!

 …ではなく、やってもやらなくてもOKです。自由に飲むのがビールなので。ただ、「うちの旦那、延々ビールを飲んで困る!」という奥様にはぜひお勧めしたい次第です。